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世界三大美書

Kelmscott Press - Ashendene Press - Doves Press

世界三大美書

本は、書かれている内容だけでなく、内容を表現するための活字の種類やページの構成の美しさにも配慮して作られています。
本好きの間で「印刷された世界三大美書」と言われている本があります。


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(上)『チョーサー著作集』
(ケルムスコット・プレス、1896年)

モリスの「ケルムスコット・プレス」は手引き印刷機で、7年間に53タイトル66巻を世に出しました。有名な『チョーサー著作集』には、朱黒の2色刷にモリスの描いた14の縁飾りと題 扉、さらに挿絵にはラファエル前派のバーン・ジョーンズの87個の作品が添えられています。

(中)『ダンテ著作集』
(アシェンデン・プレス、1909年)

セント・ジョン・ホーンビイは、1895年に「アシェンデン・プレス」を創立し、54点の美書を創り出しました。傑出しているのが『ダンテ著作集』で、他に『デカメロン』、『ドン・キホーテ』 全2巻があります。

(下)『欽定英訳聖書』
(ダヴス・プレス、1903~05年)

コブデン・サンダーソンは、「ダヴス・プレス」を設立して、1903 ~ 1905年に『ダヴス聖書』と呼ばれる『欽定英訳聖書』全5巻を刊行しました。


ウイリアム・モリスの「書物が美しくあるための法則」

  • □紙は手漉きのものがよいこと
  • □値段のために紙質を落とすのは見当違いであること
  • □活字はインキュナビュラを手本とすべきこと
  • □活字のフェイスがボディいっぱいになることが美しいこと
  • □字間は小さくして均等にあけること
  • □行間もあまりとりすぎないこと
  • □見開きを1ユニットとして割付けること
  • □印刷面と余白(マージン)のとり方など


版面の位置とマージンについて、のど-天-小口-地のマージンが1-1.2-1.44-1.73となるようになどの具体的提唱は、現在でも参考にされているほどです。

Mizuno guide

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「ケルムスコット・プレス全作品」(53タイトル66巻)

豪華装丁本や挿絵や図版の美しい本も魅力的です。芸術家や著名な装丁家が作った美しい本も集めました。Mizuno guide

Card image cap

Vanity Fair(虚栄の市)

(ウイリアム・M・サッカレー、1848年)
表紙には著者サッカレーの手彩色細密画、英国の著名な装丁家George Bayntunによる装丁です。

Card image cap

History of Napoleon

(George Moir Bussey、1840年)
埃防止の天金だけでなく、前小口を少し斜めにずらすと、Horace Vernetのパリのノートルダム大聖堂が現れます。

Card image cap

l’Oiseau Noir dans le Soleil Levant (朝日の中の黒鳥)

(ポール・クローデル、1927年)
駐日大使で詩人クローデルの日本エッセイに、藤田嗣治の12枚のカラー挿絵。